中学理科でややこしいポイントの1つが「状態変化」と「化学変化」の違いです。
言葉は似ていますが、この2つは異なる意味を表すので、注意が必要です。
このページでは、その違いを非常に丁寧に、わかりやすく解説していきます!
もくじ
状態変化と化学変化の意味
状態変化
固体・液体・気体と物質の状態が変化すること(例:水が氷になったり水蒸気になったりする)
化学変化
物質が別の物質へ変化すること(例:水が電気分解によって水素と酸素になる)
ここで注目したいのは、状態変化は物質の状態(姿かたち)が変化するだけで、物質そのものは変化していないということです。
人間で例えると、1人の人間がダイエットで痩せたり、筋トレでムキムキになったりと姿かたちが変化するというイメージですね。
それに対して化学変化は、物質そのものが変化しています。
人間で例えると、1人の人間が死んで、全く別の人間に生まれ変わるというイメージですね。
全然違いますよね!
もっと詳しく説明
ざっくりとしたイメージの違いはわかってもらえたと思います。
それではより詳しく、原子・分子といった言葉を用いて説明していきます。
前提として
まず前提として、すべての物質は目に見えないほど小さな「原子」の集まりです。
そして原子は普通、一個ずつバラバラではなく、いくつかで固まって存在しています。
その原子がいくつか固まったものを「分子」といいます。
例えば水の場合、水素原子2個と酸素原子1個でできた水分子が大量に集まって水という物質ができています。
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状態変化を詳しく
では、状態変化を原子・分子に注目して考えてみましょう。
状態変化のポイントは、物質そのものは変化していないということでした。
つまり、分子は変化していないということです。
例えば、水が状態変化する場合、水分子はそのままで変化していません。
では、何が変化するのでしょうか?
それは、分子同士の間隔と、分子の運動の激しさです。
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状態変化では、分子そのものは変化せず、分子同士の間隔と、分子の運動の激しさが変化します。
化学変化を詳しく
では、化学変化を原子・分子に注目して考えてみましょう。
化学変化のポイントは、物質そのものが変化しているということでした。
つまり、分子は違う分子に変化しているということです。
例えば、水の電気分解では、水分子が水素分子と酸素分子に変化しています。
言い換えると、原子の組み合わせが変化しているということになります。
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化学変化では、原子の組み合わせが変わることで、分子が違う分子に変化する。
水の電気分解がそもそもわからない人は下のページを参考にしてください。
![](https://macho-science.com/wp-content/uploads/2022/03/ea8eb35891c5823f385c336b0235989a-1-320x180.png)
まとめ
・物質そのものは変化しない。
・分子そのものは変化しない。
・分子同士の間隔と分子の運動の激しさが変化する。
・物質そのものが変化する。
・原子の組み合わせが変化する。
・分子は違う分子になる。